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電子ピアノ vs アコースティックピアノ 



私は駐在員の家庭のお子さんを教える機会が多かったので、引越しにかかる費用や手間を懸念する家庭にアコーステイックのピアノをどうしてもピアノ初心者に買いなさいとは無理に言わないで来ました。また、日本の家庭の住宅事情もなかなか厳しいので、場所を取る重いアコーステイックのピアノは設置できる事に制限もあります。それぞれのご家庭にはそれぞれのバジェットや事情もあると思うので、電子ピアノでまず始める方々もおられ、私もどんな楽器でも最大にできる事を目指してお教えしてきました。

生徒の為に楽器屋さんに電子ピアノの試弾に行った事もありましたが、今月、必須であった私のグランドピアノの修理間一週間ピアノが弾けない事、COVID-19と生きる新しい生活様式を考慮し、そして私のアレンジ/楽譜起こし作業に役立つことを考え、電子ピアノを購入しました。(2台グランドがあれば最高ですが、家族が許してくれず諦め。)

色々リサーチしましたが、今では カシオ(Casio) GP-500BpやROLAND(ローランド) HP704,LX708,  YAMAHA,  KAWAIはもちろん、グランドタッチ、ベヒシュタイン、ベーゼンにスタインウェイの音を組み込んだSPEAKER8台付と言う大変聞こえが良い製品が沢山ありました。マンションに住まれ、たくさん練習するのに音を気にされる方は、アコーステイックのピアノでも消音装置はつけることができます。が電子ピアノは約70kgで、アコーステイックですとアップライトでも約200kgなので、選択支が無い場合もあるでしょう。

さて、今回初めてじっくり電子ピアノを自宅で体験できて、私が感じた事。(まだ一週間半なので考えは変わってくるかもしれませんが、)

音に関しては、やはり作られた音がします、しかしHEADPHONEを使った練習などだとかなり集中できて、音の間違いなどを聴く為の練習には役立ちます。修理前の私のグランドはかなり痛んでいたので音の粒が揃っていると言うことに関してなら、こちらの方が揃っていた、(笑)

タッチ

一応、グランドタッチで、木製鍵盤、88鍵を最低条件のものを購入したのですが、これはやはりハンマー、アクションを通して発音されるのでは無く、バネ仕掛けでグランドタッチに似せた擬似体験タッチでした。


比較

私の母の家に一番小型のあまり音も良く無いアップライトピアノを置いているのですが、週末そのピアノを弾いて、通常はひどいピアノだと思っていたのが、タッチに関してはやはりしっかりした木製の、重りの付いた昔ながらのピアノのタッチは 擬似体験の電子ピアノと比べてずっと体に良い(指の骨に伝わる振動が違います)、快い感触でした。私はこの心地よい反応、刺激振動が体や脳にも伝わると思うので、良い音を出した時は体に癒しの振動が伝わると、以前から信じています。


やはり電子ピアノからはその指先のタッチの微妙さは、作られたものの中での擬似体験にしか感じられませんでした。もっと値段の張る上ランクの電子ピアノはそうで無いかもしれません。そして私の木製鍵盤は木クズを合成したもので、フワフワ軽くて、紙みたいな、印象でした。


あの良く無い小さなアップライトでさえ、タッチに関してはアコーステイックの方が優れていると直ぐに感じたことは驚きでした。


一週間して、グランドピアノのアクションとハンマーが新しくなって戻ってきました。いつも調律をお願いしている浜下さんは昔ながらの職人気質の方で、午前9時に入ってから、昼休み20分ぐらいを挟んで、フェルトを削ったり、硬化剤を塗ったり、その後調律で夕方の6時まで 調整に残って下さいました。すり減ってこちこちになっていた私のグランドピアノのハンマーは新しいフェルトを張り替えてもらって到着した時は以前に比真っ白フワフワ。

調整して頂き、まるで新しいピアノの様。新しいピアノとは弾きこなされていないで硬い出来立てのピアノのことです。今回弦は張り替えなかったのですが、ではこれはまるで老人が、総入れ歯に直した様な感じなのかしら?と笑笑。やはり本物のピアノの暖かい響き、ハンマーが微妙に弦を打つ角度や、速度の違いによってあたかも生き物の様に反応する、そのやりとりは、電子ピアノでは絶対に味わえないと、今回断言することができました。


しかし、どんな事態でも感謝の心を忘れずにベストを尽くす私のモットーでは、たとえ電子ピアノしか持っていなかった場合でも、多分その中で尽力すると思いますが、まるでアコーステイックの楽器との生き物とのやりとり、私たちと同じ様に、湿気や気温にも反応する、その息遣いや受け答えを知らないで育つと言うことは、ちょっと悲しいことだと思った。